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子どもには子どもらしい経験をいっぱい積んで、たくましく育ってほしい

中田隆之さん

(株)アンバーパートナーズ代表取締役
一般社団法人・相続サポートセンター代表理事

中田隆之さん ――よこはまチャイルドラインに理事としてかかわってくださっている中田隆之さん。 明るくエネルギッシュで、アイデアマン。若き力で、チャイルドラインを盛り立てていってほしいと思うのはわたしだけでしょうか。
――なんか、中田さんにお会いしたら、子ども時代のお話をいちばんにうかがいたくなりました。

中田 はははは(爆笑)、そうきましたか。子ども時代ははっきり言って、相当やんちゃでしたね。小学校から高校まで、毎年、親が学校に呼び出されてました(苦笑)。 
――やっぱり。そんな気がしました。

中田 中田 えっ。わかりますか。

――これは、わたしの持論なのですが、「ゆたかな子ども時代を過ごした人が魅力的なおとなになるとはかぎらないけれど、魅力的なおとなはゆたかな子ども時代を過ごしている」とね。中田さんのオーラから、そんなことを思ったんです。まあ、親が学校に呼び出されたのがゆたかな子ども時代かどうかは別問題ですが。

中田 とにかく、おとなの言うことは聞かない子どもでしたね。好奇心が旺盛で、ダメだと言われると、やってみたくなる性質たちで・・・。おかげで、楽しい楽しい子ども時代でした。
 たとえば、入ってはいけない地下鉄の工事現場を探検したり、遊んではいけない渡船場で遊んだり、ボタ山に登ったり(博多っ子でした)、危険を顧みずに(子どもだからわかるわけないか)、崖をよじ登って落っこちたり、引き潮のとき遠くまで行き、満ち潮になると中州に取り残されたり・・武勇伝は枚挙にいとまがありません。
でも、厳格で厳しい父に育てられたせいか、自分のなかでは正義を貫いている、みたいなところがあって、ひとを傷つけるようなことはしていないつもりです。ですから、親が学校に呼び出されても、父にひどく叱られたという記憶はありません。「気をつけろよ」みたいなことは言われましたけど。
 でも、厳格で厳しい父に育てられたせいか、自分のなかでは正義を貫いている、みたいなところがあって、ひとを傷つけるようなことはしていないつもりです。ですから、親が学校に呼び出されても、父にひどく叱られたという記憶はありません。「気をつけろよ」みたいなことは言われましたけど。
父には、いろんなところに連れて行ってもらいました。その影響もあって、わたしは今でも、アウトドア大好き人間です。キャンプ、山登り、マリンスポーツ、ゴルフ・・あ、昨日は長瀞に行って、ラフティングをやってきました。

中田隆之さん ――それは、アクティヴですね。そんな中田さんから見て、いまの子どもたちをどう思われますか。

中田 うーん、打たれ弱いというか、ストレスに弱い感じがしますよね。天衣無縫な子どもも少なくなりました。ただ、それは子どもの責任と言うより、大らかさや共助を失った社会の責任のような気がします。
 つまり、わたしの子どものころのような子どもらしい経験が圧倒的に少なくなっていますよね。遊ぶ場所も減ってきたし、何より世の中の考えが大きく変わってきました。わたしは子どもの社会性を育むにはおとなが介入しないほうがいいと思うのですが、いまは変な風に介入しています。
 子どもが遊んでいたら、いたずらに禁止するとか罰するのではなくて、「たずなをしめる」のがおとなの役割なはず。禁止するのは楽かもしれませんが、それでは子どもの経験値が上がるはずがない。子どもには子どもらしい経験をいっぱい積んで、たくましく育ってほしいと思いますね。

――同感です。さて、お仕事のほうはいかがですか。確か、「神奈川の社長」に選ばれたそうですね。

中田 30歳で独立して起業し、ここまで来るのにいろんな苦労をしました。うちの会社は、土地家屋調査士、測量士、行政書士など専門家集団なのですが、はっきり言って、「資格より人格」つまり「人間性」がいちばん大切だと思っています。
 会社の理念は「常に必要とされる人であれ」です。製造業でもない、物販でもない、不動産・相続というお客様の大切な財産・人生にかかわる仕事だからこそ、イズムと言うか、まずは「人ありき」の会社で、業務に携わるスタッフの道徳心や品位・品格がもっとも大切だと考えています。
 真に社会に役立つ技術者集団・実務化集団であるために、社員は知識・技術の向上はもちろん、利他心をもち、地域社会に貢献できるような人材でなければならないと考えています。
 仕事に対する姿勢も、人に接するときも、その人らしい生き方が現れますので、人材育成のカリキュラムはしっかりやっているつもりです。社員一人ひとりが「ああ、あの人がいてくれてよかった」と思っていただけるよう、人間的素養を磨くために日々切磋琢磨しています。

――それは、ほんとにすばらしいですね。チャイルドラインについて、なにか思いはありますか。

中田 そうですね。わたしは「一隅を照らす」という言葉が好きです。チャイルドラインはまさしく、「一隅を照らす」活動だと思います。声を上げたくても上げられない子どもがいますので、そんな子どもたちの思いを受けとめる。大切な活動ですよね。

――最後になりましたが、これからの夢や希望を。

中田 おかげさまで、いまは仕事もプライベートも充実しています。仕事のヴィジョンもありますが、個人的には「がむしゃらに生き、ひょうひょうと死んで、少しは世の中の役に立ったかな~」と思える生き方をしたいですね。
 そういう意味でも、子どもたちがもっとイキイキと過ごせるよう、チャイルドラインもふくめ、わたしにできることをやっていきたいですね。

――お忙しいところ、きょうはありがとうございました。

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