日本中のチャイルドラインのなかでも、いちばん目立つ、今までにない新しいものをつくりたかった
チャイルドラインのミッションのひとつでもある「聴いた子どもの声を社会に届ける」という面からも、ホームページの果たす役割は大きく、クオリティの高い、そして子どもにもわかりやすく親しみやすいホームページにしていくことは、喫緊の課題でもありました。
今回、8年ぶりにリニューアルしましたが、明るくて、デザインの良さや親しみやすさ、わかりやすさなど、素敵なホームページができあがりました。
そんなホームページのリニューアルをてがけてくださった、(株)ムーンファクトリーの渡部通子さん、平泉優加さん、諸岡みゆきさんにお話をうかがいました。
――素敵なホームページにしていただいて、ありがとうございました。ホームページをつくりながら、楽しかった、おもしろかったなど、ありますか。
平泉 普段は企業のホームページをつくることが多いので、戸惑うこともありましたが、いいものをつくりたいと意気込みました(笑)。日本中にたくさんあるチャイルドラインのなかでも、いちばん目立つ、今までにない新しいホームページにしたい。おもしろくてNPOらしくないホームページにしたいと考えながらつくりこんでいくのは、やりがいのある楽しい作業でした。
諸岡 みなさんのお話を聞けば聞くほど、忙しいのにちゃんと活動なさってる。すごいなと思いました。何とかホームページでみなさんの活動を応援したいと思いましたが、わたし自身、活動のことなどたくさんの学びがあり、新しい世界が開かれました。刺激的で、楽しかったです。
――苦労も多かったことでしょうね。
平泉 忙しいなかでやりとりはSlackを利用しましたので、とてもやりやすかったです。よこちゃのみなさんも柔軟に対応してくださって、ありがたかったです。
諸岡 そうですね。あまり苦労はしていないというか、時間はかかってもスケジュールはきちんと合わせていただいたので、問題なく進みました。
渡部 よこちゃからいただいた文章や言葉は、とても思いが強く、うちのスタッフの編集力が追いつかないということもありました。うちのスタッフにかぎらず、いまの若いひとは本を読みませんからね。すると、わたしや年配のスタッフのところに飛んできて、「どれがいちばん大切な言葉ですか。間違ったら大変なことになるから、見てください」って。わたしもいただいた文章を読んで考えて、かみ砕いて説明しました。
――――素晴らしい企業風土ですね。若いひとが年配のひとを頼りにし、お互いのいいところを補完しあっている。ムーンファクトリーさんに足を踏み入れたときに感じるあたたかさは、きっとそんなところから生まれているのですね。よこちゃもそうありたいと思っています。ホームページにもそんなテイストが表れていて、ムーンファクトリーさんにお願いして、本当によかった。
――――ところで、よこちゃって、いつだれが名付けたのですか。
渡部 わたしも最初は「よこちゃ」って何かしらと思いました。会議のとき「今日はよこちゃについて話し合います」なんて言うのでね。でも、ネーミングも音感もすこぶるいい。かわいいし、今風で言いやすい。
糸井 よこはまチャイルドラインって、ちょっと長いじゃないですか。発音しにくいので諸岡と自然な流れで簡略化し「よこちゃ」を連発していたら、いつのまにか社内に浸透していました、
渡部 音感がいいのは重要だと思います。子どもにも親しみやすいし。
――そうですね。ホームページには掲載していますが、うちの団体でも使いこなしてスタンダードにしていきたいと思います。子どもが喜んで使ってくれたら、チャイルドラインの認知度も上がるし、子どもたちも利用しやすくなるでしょう。思わぬ副産物も生まれて、本当によかったです。
――さて、チャイルドラインの活動についての感想やご自身の夢や希望を聞かせてください。
平泉 わたしも子どもがいるので、チャイルドラインの活動については無関心ではいられません。深いテーマですよね。子どもは簡単にはこころを開かないし、親でもなかなかできないことをやってくださって、本当に頭が下がります。
諸岡 みなさんの「子どものちからになりたい」という思いが素晴らしいです。
平泉 昔は、あいさつをしてくれるおばちゃんとか、おせっかいなおじさんが子どものまわりには必ずいましたが、今はそんなひとはなかなかいません。知らないひとには話をするなとか、迷惑をかけてはいけないなど、人間関係が狭くなってしまっています。自分の子もそうですが、子どもたちにはいろんなひとと接して、自分の世界を広げていってほしいですね。
諸岡 わたしは横浜出身なので、小さいときチャイルドラインのカードをもらっていた記憶があります。こんなかたちで再会できて、びっくりです。まだまだ学ばなければならないことはたくさんありますが、かかわった方々の気持ちを仕事を通してしっかり伝えられるようになりたいです。
――そうでしたか。諸岡さんには子どもに近い感覚で意見を言っていただけて、とても良かったと思います。
――どうぞ、今後とも末永くお付き合いくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。本日はありがとうございました。
ムーンファクトリー制作チームの皆さんと糸井(左から二番目)