いま、コロナ離婚が流行っているらしい。日本では3組に1組が離婚すると言われているが、更に増加するのだろうか。
そんな中、先月は父母の63回目の結婚記念日だった。
二人の出会いはお見合い。
母が言うには
「銀行のOLで華やかな生活をしていたので、スーツ姿の決まった男性しか知らなかった。だからお見合いの席に質流れで安く買ったドラえもんのようなダサい背広を着た、短い手足を振りながらやってきた彼を見て凍りついた」
対する父が言うには
「自分の母親は弱視だったので、結婚相手に望むことはたったふたつ。視力と運動神経が良いことだけ。それは、知人に頼んで内申書をみていたからクリアしたが、それにしても、前日に歯を数本抜いて、大きなマスクで顔を覆っており、顔を見られなかった。」
どんな見合いなのか…傍で見てみたかった。
二人は、お互いの親戚、知人から大反対にあい、父の友人だった占い師からは2か月持たないだろうと宣告された。まわりの人たちへの反発もあったかもしれないが、結果的に長い結婚生活と子ども、孫、ひ孫を合わせると総勢20人以上に恵まれた。二人の遺伝子が脈々と受け継がれているのだ。
見合いは鎌倉時代にはあったらしいが、近ごろはAIによるデータマッチングや顔や服装を隠しての集団お見合いもあるらしい。
もしかしたら、相手に期待せず、自分にないものを結婚相手に求めるという父母の結婚は理にかなっているのかもしれない。
by フルーツパラダイス