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熊本便り 19

 

「ゆく河の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず」なのですが、昨今の河の流れは急激過ぎて、年を重ねた身にはついていけないものがあります。

 そのひとつが、子どもたちのコミュニケーションツールの変化です。いまの小中学生は生まれたときから、ネット環境が当たり前の時代であり、コミュニケーションの手段はメールが主流となっています。

「家に電話がないという子が多く、したがって電話で話したことはないという小学生もめずらしいことではありません」(キッズクラブスタッフのAさん)

うーん、そうなんですね。

チャイルドラインは電話で子どもの声を受け止める、のがおもなミッションですが、これは「メラビアンの法則」でもわかるように、かなしい、さみしい、うれしい、つらいなどの感情のコミュニケーションでは、声の大きさや声の質、話す速さや口調などの聴覚情報がすぐれており、その情報量はメールの比ではなく、それに、気持ちが落ち込んでいるとき、子どもたちのこころに届くのは、しっかり悲しみを受けとめてもらって、そのうえで「大丈夫よ」などの生きた言葉をもらうことだと考えているからです。

一方、メールは情報量も少なく、なりすましも可能ですし、ネット世代ではないわたしたちにとっては対応に苦慮することもあるでしょう。かくいうわたしも、いまだにガラケーオンリーというていたらくなのです。

しかも、この数十年、人間関係の質は低下し続けており、その原因のひとつにソーシャルメディアの濫用が挙げられることは言を待たないでしょう。多くの若者が直接、他人とかかわることを避けるようになり、より多くの時間をデジタル画面を見てひとりで過ごす、ということも少なくありません。

しかし、おとなが理想を語ろうと、子どもたちの生きる世界が激変し、電話で話したことがない子どもにいくら電話の有用性を説いても詮無いことなのではないでしょうか。もちろん、子どもたちに人間の体温をストレートに感じることのできる、ゆたかな電話コミュニケーションの魅力を味わってほしいと思います。これは、ひととして生まれた人生の醍醐味のひとつでもありますし、子どもたちがコミュニケーション能力を会得するための一助にもなりえるものですから。

そのことを深く理解し、であっても、わたしたちは現実を受け入れ、とまどいながら迷いながら、新しいコミュニケーションについてメールについて学びつづけていくしかないように思います。

もちろん、入り口はメールであっても、その先には「いま、ここ」のコミュニケーションである電話やフェイストーフェイスのコミュニケーションがあり、そこに子どもたちを導いてゆけるようにできればいいなあ、と思います。

 

 

徳丸 のり子  

 

 

 

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