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熊本便り 15

 なぜ?どうして?「不登校が少ない山鹿市」

 

 

 全児童生徒数に対する不登校児童生徒の割合は、全国平均1.26パーセントに対して、ここ山鹿市は0.4パーセント。なんと、3分の1以下である。これには必ず理由があるはずだと、ちょっと調べてみた。

 現役の先生3人に聞いてみると、みな一様に同じ答えが返ってくるではないか。

「それはね、養護のK先生のおかげです」

「えーっ、ひとりの先生?」

「そう、すごいんだから。転勤するたびにそこの学校から不登校がいなくなる。ひっぱりだこの先生です」

「そうなんですか、でもなぜ?」

「うーん、いろいろありますが、K先生が徹底しているのは、朝は必ず担任が児童名簿をもって、一人ひとりの名前を呼んで、顔を見て出席確認をすること。どんなに忙しくてもこれだけはやるべきだと」

 名前を呼ばれることによって、子どもたちは少なくとも1日に1回は先生と11のコミュニケーションがとれる、顔を見ることでその子の様子がわかる、気になった子は注意してみることができる、とのこと。このために、朝の職員朝礼もなくした学校が多いという。先生同士集まるより、子どもたちとのふれあいを大切にするべきなのだと。

「でも、決してK先生は無理強いしない。おだやかで、無理に学校に来なくてもいいという考えの持ち主なんです。でも不思議なことに、子どもたちは学校に来たがります」

「そうなんです。ぼくは昨年、クラス40人の生徒全員が無遅刻無欠席でした」

「わたしのクラスもそう」

「でも、インフルエンザとかあるでしょう」

「インフルエンザは出席停止で、欠席にはなりません」

「そんなに学校が好きなんですか?」

「さあ、それはわかりませんね」

 もう、びっくりである。そしてまた、全員が「肝は、先生とのコミュニケーションと生徒同士のコミュニケーションに尽きる」と言う。言われてみれば、まったくその通りなのだけれど。

 そして、市内でもっとも大きな中学校(生徒数700余名)に行った時のこと。学校帰りの生徒が校門を出る前に校舎を振り返り、一礼して帰っていくのを見た。それも、ほとんどの生徒がやっている。感動して校長先生に話すと、当たり前だというように、

「それは普通ですね。でも、だれも強要していません。生徒たちが自然にやっているのです」

 もちろん、人口が少ないとかほかにも理由はあって、それらが複合的にうまくかみあっているのだろうけれど、どうしてもあと2つふれたいことがあるが、紙幅の関係で次号に回します。

 

 2018年、おだやかでありますように。 

 

徳丸のり子

 

 

 

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