「田舎の一戸建てに住むということ」
大学入学で家を出て四十数年、ずっと集合住宅に住み続け、一戸建てに住むという経験がなかったわたしである。久しぶりに念願の(?)一戸建てに住んでみた。木材にこだわり、今風の平屋なので、それなりに満足しているのであるが。
が、が、が、ずっと頭を悩ませているのが庭の草取りである。いやあ、しらなかったよ、お富さん。こんなにも雑草の伸びが早く、あっという間に自慢の庭が草だらけになるとは。しかも、田舎の家は敷地がひろーいのです。はい、とんでもない広さです。だから、草の生えるところがいっぱいあるんですよねえ。
近所のおくさまたちは手慣れたもので、どこの家もいつもきれいになっているではないか。それに比べて、我が家は草ぼうぼうなんですね、これが。
昨年は、むらさきつゆくさの可憐な花を見たくて、庭に突然現れたつゆくさをとらずに花を楽しんでいたのだが、あれよあれよと大きくなり、びっくりしていると、となりのおくさんが、
「そのつゆくさは、さっさととらないとたいへんなことになるよ。昔のツユクサと違って外来種だから、とにかくたちが悪いんだからね」
とのたまうではないか。しかあし、ときはすでに遅し。花は実を結び、あちこちに種を蒔きちらし、今年はといえば、びっしりのツユクサの誕生と相成ったのである。うーん、はやく言えよ。
とにかく、雑草は強い。どこにでも生えてくるんですね。
「草は毎日とらないとダメ。とくに小さいときにとらないと、実を結んだらたいへんなことになるから」
ということで、草取りにもそれなりのこつがあるそうな。
① とるのは雨上がりの午前中(抜きやすく、日差しも弱い)
② とにかく草が小さいうちにとる(かがるという。そうすれば根絶やしになる)
③ 少しでもいいから毎日とる。
④ 手袋、小さい鎌、かご、蚊取り線香(みんな腰にぶら下げている)が必須。
はっきりいって、こんなこと不得意のわたし。どうするべなあ。
母も草取りをしていたのだろうか。思い出せないのだけれど。
田舎の一戸建てに住むということは、それなりにたいへんなのです。
徳丸のり子
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