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熊本便り 10

 

「驕る平家は久しからず」

 

ご存じのように、九州地方はまたも甚大な被害に見舞われました。「これまでに経験したこともない大雨」による激甚災害です。25名もの尊いいのちが奪われ、まだはっきりとした被害状況は分かっていないのが現実です。あれから、1週間もたつのに、です。

 7月5日、わたしは横浜にいました。ですから、どんなに大雨だったのか、じつはわかりません。しかし、家人の話によると、夜中に雷鳴が鳴り響き、それが地響きになり、「まるで戦争のようだった」と。つまり、音と光で、一睡もできず、それは爆弾が落とされたようだったのだと。そうです、戦争なんて経験していないのに、です。

 じつは大被害にあった朝倉市と日田市は我が家からはそう遠くないのです。山を越えれば日田市で、おいしいうなぎを食べに行くこともあるくらいなのです。つまり、日田と熊本の間に山があって、熊本県はその山に助けられたのです。

しかしそれは、裏を返せば、大雨前線が熊本県側にかかっていたら、被害は逆転していたのです。テレビで壮絶な映像をみながら、ああ、この状況はわたしたちでもおかしくなかったと実感していました。

自然と生きる。ことばは美しいのですが、それはこのような自然の猛威も同時に受け入れるということでもあります。山の幸、海の幸、里の幸、美しい星空、きれいな水、おいしい空気、みずみずしい山の緑・・・いいところはもちろん、たくさんあります。しかし、しかし、と思うのです。「これまでに経験したことのない大雨」は、なぜそのようなことが起きてしまうのか、と。

これまでにも、たびたび指摘されてきた、「地球温暖化」。自動車やエアコンなど、人間が自分たちの快適さを追求するあまり、大量の二酸化炭素を放出し、あげく地球の気温が上がり、それが自然のあらゆるところに影響を及ぼしている、「温暖化」です。

今回の大雨被害もそうですが、人間の欲望に耐えきれなくなった自然が、人間に対して警告を発しているように思えてなりません。「にんげんよ、おごることなかれ」と。

ああ、そういえば、時の政権も一強の驕りで大衆の支持を失っているようですね。「驕る平家は久しからず」。昔からわかっていることなのに、ひとは学んでいないのでしょうか。

徳丸のり子 

 

 

 

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