
八王子の駅で困っている外国人旅行者を見かけた。
お父さん、お母さん、小学生くらいの子どもが二人。
大きな荷物を見ると、旅行者のようだ。
ホームに掲げてある案内板をしきりに見ては首を横にかしげ
忙しそうに横を通り過ぎる日本人を心細そうな目で追っている。
誰がどう見ても困っているのは一目瞭然なのに、
声をかける人は見当たらない。
実は、私は英語が得意ではない。全く得意でない。
しかし、せっかく日本を旅してくれているのに
こんな印象の悪い日本のまま帰らせてはなるものか!
意を決して話しかけてみることにした。
” May I help you?(お困りですか?)”
すると、お父さんの目はパッと輝き
(予想通り!)チンプンカンプンの英語で喋りかけてきた。
聞き取れたのは ”Otsuki(大月)” という単語だけ。
どうやら 八王子から大月まで行きたいらしい。
" Come on!(ついてきて!)”
結局、英語では説明できないので
一緒に大月行きのホームまで案内することに。
そして、4番線ホームだとわかると
”Four!(4番!)”
と伝えるのが精一杯だった。
旅行者は嬉しそうに ”Thank you!Thank you!”と言ってくれたけれど
私の方は 情けなさでいっぱい。
学生時代に10年以上も英語を学んできて、言えた言葉が
Come on と Four の二つだけなんて!嗚呼。
せめて 最後に
Have a nice day!(素敵な一日を!)くらい、言えたら良かったな。
習ったフレーズは外国人と別れた後に思い出されるのでした。
あの家族は今頃どこにいるのでしょう?
日本での時間を楽しんでいってくれたかなぁ~。
by 心もすっぴん