熊本便り(10月19日)「くまモン、大活躍」
この16日で、あの大震災から丸半年を迎えた熊本です。職人さんが不足し、大工の工賃はいまや1.5倍から2倍に跳ね上がり、壊れた家を修理したくてもできずに、まだまだ不自由な暮らしを余儀なくされているひとがたくさんいます。
さて、熊本といえば、あの人気キャラクター「くまモン」です。熊本出身の放送作家の小山薫堂さんに依頼して大成功をおさめているゆるキャラですが、大震災においても大活躍しました。
地震直後はさすがに活動を控えていたくまモンですが、5月5日の子どもの日から活動を再開しました。手始めは、阿蘇西原村の保育園です。子どもたちが大喜びしたのはもちろん、避難生活を送る高齢者も笑顔で抱きついたり握手したりしていました。
じつはこの日、わたしはチャイルドライン支援センターの代表理事とともにチャイルドラインのカードを持って避難所を回っていました。マスコミにもそのことをリリースしたら、多くの放送局が取材すると言ってきたのですが、約束の時間になっても記者さんが来ません。あれほど約束したのにと思って、確認の電話を入れると、
「いやあ、すみません。じつは、きょうからくまモンが活動再開することになって、みんなそっちに行ってしまって・・」
地方局はそれほど人材が豊富なわけではないので、当然、くまモンに行くわけです。だったら、わたしたちもくまモンと一緒に活動しようと思って、「保育園の次はどこに行くのですか」と聞いたのですが、なんと、
「それはだれにもわかりません。わたしたちも『西原村から活動再開』ということしかわからないのです。くまモンの行くところを公表すると人が集まりすぎて、危ないのです」
それほどの人気なのです、くまモンは。いまや、日本中、いや世界からも注目されているくまモンですが(あのバカラともコラボしました)、生みの親である小山薫堂さんは、
「どんなに世界で有名になっても、くまモンはやっぱり熊本のひとにとってお地蔵さんのような存在で、こころの拠りどころと言ってもいい。熊本をまとめ、そして元気にしてくれるのです。だから、大地震のあとのくまモンの活動はとてもよかったと思います」
くまモングッズの売り上げは昨年、ついに1000億円を突破しました。みなさん、くまモングッズを買ってくださることも立派な支援なのです。
徳丸のり子
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