
梅雨が明けて、夏真っ盛り。日本の夏って、こんなにも暑かったのだろうか。
だんだん暑さにも弱くなってくる。ビールがおいしいと喜んでいたのは、いつまでだったっけ。いまは、毎日飲むのはちょっときつくなってきた。数年前のわたしからは想像もできないほどだ。
確実に、年を重ねている。しかし、悪くないんだな、これが。ふつうの女の人は年をとるのを嫌がる人が多いけれど、わたしはむしろ、「いいな」と感じている。
いままで見えなかったものが、いままで聴こえなかったものが、いままでかんがえられなかったことが、はっきりと輪郭をもって私の前に現れてくる。
じつは、これがうれしくて、たのしくて、そしてかなしいのだ。わからなかったものがわかるということは人間にとってすばらしいことだけれど、同時にわからなかったほうがよかったこともあるのだ。
でも、こうして母も父も老い、わたしも老いてゆく。これが順番だ。
暑い夏に弱くなったけれど、だけどまた、明日もいいことがあると信じて生きてゆこうと思う。